パソコンを使う職種への転職や再就職を考えるとき、希望の職種へ就くには、資格やスキルが不足していることはないでしょうか?しかし、専門のスクールに通うと費用がかかるので実現が難しいケースもあるでしょう。そのようなときに利用したいのが無料で学べる職業訓練校です。
本記事では職業訓練の概要や受講方法・MOS資格・CS検定が取得できるパソコンコースについて詳しく紹介していきます。
職業訓練の概要
職業訓練には『求職者支援訓練』と『公共職業訓練』があります。
職業訓練校に通える方は仕事を探している人すべてが無料で受講することができます。
但し、職業訓練校までの交通費やテキスト代・資格試験の受験費用は自己負担となります。
求職者支援訓練とは、雇用保険を受給できない求職者を対象に、就職に必要な技能および知識を習得するために実施する公的な職業訓練です。
職業訓練校で、CS検定やMOS資格を取得できるパソコンコースを受講する場合は、最寄りのハローワークのハロートレーニング(求職者支援訓練)の窓口で手続きをします。
職業訓練校の受講要件
職業訓練校の受講には下記の要件を全て満たしている必要があります。
職業訓練の種類
職業訓練には、公共職業訓練と求職者支援訓練があります。
✨公共職業訓練:失業保険を受け取っている方
✨求職者支援訓練:離職者で、労働意欲があり失業保険を受給できない方
(公共職業訓練と求職者支援訓練の違い)
項目 | 公共職業訓練 | 求職者支援訓練 |
---|---|---|
訓練期間 | 3ヶ月~2年 | 3~6ヶ月 |
1日の授業時間 | 約6時間 | 約6時間 |
選考試験 | 学科試験と面接 | 面接 |
訓練科目 | パソコン、簿記、Webデザイー、 介護職員実務者研修、医療事務、 英語ビジネス、 CADオペレーター、 インテリアコーディネーター、 ファイナンシャルプランナー等 | 左記のコース、プログラマー、 ネイリスト、調理、ハーブ・ アロマ、エステ、スポーツイン ストラクター等 |
求職者支援訓練
★受講条件:雇用保険を受給できない求職者が対象
★受講期間:3~6ヶ月
★受講費用:訓練の受講料は無料(テキスト代や交通費・資格の受験費用は自己負担)
★受講場所:厚生労働省の認定を受けた民間教育訓練機関(パソコン教室)
★受付場所:全国のハローワーク
公共職業訓練
★受講条件:雇用保険を受給できる人
★受講期間:3ヶ月~2年
★受講費用:訓練の受講料は無料(テキスト代や交通費・資格の受験費用は自己負担)
★受講場所:国・都道県が実施する施設内訓練と民間教育訓練機関(パソコン教室)
★受付場所:全国のハローワーク
職業訓練校でパソコン講座を受講するメリットとデメリット
職業訓練校は、無料で転職や再就職に必要なスキルを学べるメリットがある一方で、受講には一定の期間が必要になるデメリットもあります。
職業訓練校と民間のパソコン教室の違い
職業訓練校と民間のパソコン教室の違いは、費用や就職支援に大きな違いがあります。
最近では民間のパソコン教室でも、転職サポートが受けられますが、MOS試験対策の講座は、入学金や受講料が発生します。
施設名 | 就職支援 | 受講料 |
---|---|---|
職業訓練校 | ★★★★★ | 無料 |
民間のパソコン教室 | ★★★☆☆ | 有料 |
職業訓練校は、無料で受講できますが、テキスト代や交通費・資格試験の費用は個人負担になります。
民間のパソコン教室ではCS検定の講座を受講することはできません。
資格名 | 職業訓練校 | 民間のパソコン教室 |
---|---|---|
CS検定 | 〇 | ✕ |
MOS資格 | 〇 | 〇 |
CS検定・MOS資格が取得できるパソコンコース
パソコン初心者の方で、PC資格を取得して、パソコンを使う職種への再就職を希望されている方は、パソコン基礎科がおすすめです。
CS検定が受験可能な訓練コース
CS検定を受験できるコースは「基礎コース」と「初級・中級養成科」の2種類があります。
ハローワークの求職者支援訓練の案内で「初歩から学べるパソコン・オフィスワーク基礎科」などの訓練コースで、CS検定を取得することができます。
✨CS検定が取得できる訓練コース
★パソコン基礎科:CS検定3級
★パソコン初級・中級養成科:CS検定2級・3級
※職業訓練の受講中にCS検定を取得することができます。
訓練コースの案内状の『資格取得目標』にコンピューターサービス技能評価試験(ワープロ技士・表計算技士)2級または3級と記載されています。
※求職者支援訓練は、再就職をすることが目的で、資格を取得する目的で受講することはできません。
MOS資格が取得可能な訓練コース
MOS資格を受験できるコースは「基礎コース」と「実践コース」の2種類があります。
ハローワークの求職者支援訓練の案内で「初歩から学べるパソコン・オフィスワーク基礎科」などの訓練コースで、MOS資格(一般レベル)を取得することができます。
✨MOS資格が取得できる訓練コース
★パソコン基礎科:MOS資格アソシエイト(一般レベル)
★パソコン実践科:MOS資格アソシエイト(一般レベル)・エキスパート(上級)
※職業訓練の受講中にMOS資格を取得することができます。
MOSエキスパート(上級)が受験できる職業訓練校は少ないです。
訓練コースの案内状の『資格取得目標』にコンピューターサービス技能評価試験(ワープロ技士・表計算技士)2級または3級と記載されています。
※求職者支援訓練は、再就職をすることが目的で、資格を取得する目的で受講することはできません。
職業訓練【求職者支援訓練】の受講方法
求職者支援訓練の受講するための流れについて解説します。
- STEP1ハローワークで求職申込・求職者支援訓練の説明を受ける
- STEP2ハローワークで希望する訓練コースを選び、受講申込書を受け取る
- STEP3ハローワークで捺印した受講申込書を訓練施設に提出する
- STEP4任意で訓練コースの合同説明会に参加することができる
- STEP5訓練施設で面接・筆記試験を受ける
- STEP6面接合格後に訓練開始前日までにハローワークで就職支援計画を作成する
ハローワークの審査について!
ハローワークで求職者支援訓練を申し込む際に簡単な審査があります。
ハローワークの窓口で、求職者支援訓練を受講する動機を尋ねられます。
求職者支援訓練を受講する動機 |
---|
パソコンを使う職種へ再就職したい |
MOS資格やCS検定を取得したい |
※求職者支援訓練は、あくまで再就職をするこが前提で、資格を取得することが目的ではありません。
認定施設(パソコン教室)の面接について!
ハローワークの審査が通過しても、まだ、安心してはいけません。
事務職などの仕事を希望する方が、CS検定やMOS資格が受験できる訓練コースに多くの方が応募してきます。
訓練施設の訓練コースには、定員(15名前後)があり、申し込みが多い場合は、面接によって受講生の選定を行います。
ここでも訓練に参加する動機を尋ねられますので「CS検定やMOS資格を取得する目的」とは絶対に言わないようにしてくださいね!
職業訓練を受講する動機が面接の合否を左右します。
職業訓練で失業保険の延長給付を受ける条件
職業訓練の受講が認められて一定の条件を満たせば、失業保険の延長給付を受けることができます。
失業保険は、給付日数が定められており、所定の給付日数を迎えると支給は終了します。
失業保険の申請をされる方は、早めにハローワークで職業訓練の申請と失業保険の延長給付の条件について、相談されることをおすすめします。
職業訓練受講給付金
求職者支援訓練の申し込みの際に一定の条件を満たせば、求職者支援訓練を受講中に月額10万円の給付を受給することができます。
ハローワークで給付金を受け取る申請を行い、認められると「特定求職者」となり職業訓練受講給付金を受給することができます。
特定給付者の条件
職業訓練受給給付金の申し込みには、ハローワークの審査があります。
例えば、労働の意欲がなく、CS検定やMOS資格を取得することが、目的になっているような人は、特定給付者はおろか求職者支援訓練の受講もできなくなります。
あくまでも目的は、再就職することが目的であることを伝えましょう。
職業訓練受講給付金の支給条件
受給の条件は、失業保険受給期間中に就職できなかった方や、週20時間以内のアルバイトの方など、自営業を廃業した方などが対象となります。
職業訓練受講給付金の支給条件 |
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★本人の収入が月8万円以下 |
★世帯全体の収入が月25万円以下 |
★世帯全体の金融資産が300万円以下 |
★現在の住所に土地・建物を所有していない |
★全ての訓練実施日に出席している |
★世帯の中に職業訓練受講給付金を受給している人がいない |
★過去3年以内に、不正行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない |
職業訓練受講給付金の申請書類
ハローワークの給付金の事前審査時に下記のような書類が必要になります。
★本人確認書類(マイナンバーカード・免許証・パスポート・健康保険証) |
★住民票 |
★源泉徴収・所得証明・納税証明書 |
★預金通帳 |
★ハローワークで交付される申請書 |
★振込先の通帳 |
支給申請に必要な書類
ハローワークで、支給申請を行う際にも必要な書類があります。
職業訓練を途中で辞めた場合は、給付金の支給は停止されます。
★就職支援計画書 |
★職業訓練受講給付金支給申請書(訓練施設で受講証明を受けたもの) |
★給付金支給状況(支給記録) |
★職業訓練の欠席を証明する書類(医療機関の証明書・領収書・面接証明書) |
病気や事故・就職面接などのやむを得ない理由で欠席する場合は、証明書の提出が必要になります。
求職者支援訓練の詳細は、各都道府県の労働局の公式サイトで確認できます。
求職者支援訓練の申し込みは、全国のハローワークで受付しています。
最後まで読んでいただきありがとうございます!