VLOOKUP関数は、ビジネスシーンでよく使われる関数で、覚えておくと事務職やオフィスワークの仕事で活躍する場面は沢山あります。VLOOKUP関数を使用すると、別の表の中から検索条件に一致した情報を素早く探し出して表示してくれます。
さらに、VLOOKUP関数を使用することで、必要な情報を自動で入力できるため入力ミスも軽減されるメリットがあります。
VLOOKUP関数の基本的な使い方や基礎知識について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
VLOOKUP関数の概要
VLOOKUP(ブイルックアップ)とは、垂直を意味する「Vertical」の頭文字「V」と、探すのを意味する「LOOKUP」を組み合わせたの関数です。
VLOOKUP関数は、最小限の入力で別の表から、条件に一致するデータを探し出してくれる関数です。
☘️VLOOKUP:縦向きの表の列からデータを取り出す
☘️HLOOKUP:横向きの表の行からデータを取り出す
VLOOKUP関数の用途
在庫管理で表の中の商品番号・商品名・価格・在庫数などのデータから、商品番号を検索すると、商品名や価格などの情報を自動で取得して表示したい場合。
社員の住所録や顧客名簿などで、氏名を検索すると住所や電話番号・郵便番号などのデータを、自動で取得して表示したい場合。
取引先別に送付する伝票や見積書・請求書などを素早く作成したい場合。
VLOOKUP関数の書式
VLOOKUP関数は、指定した検索値を範囲の1列目で縦方向に検索し、指定した列と同じ行にある値を返します。
ただし、検索に使う値が範囲の左端にない場合は、#N/Aエラーを返します。
✨VLOOKUP関数の書式➡【=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)】
書式 | =VLOOKUP(検索値,検索範囲,列番号,検索方法) |
検索値 | 検索対象となる値 |
範囲 | 検索値と戻り値を検索するセル範囲 |
列番号 | 表示させたい値が入った列の番号 (左から1,2…と数えて指定します) |
検索方法 | FALSE(完全一致)TRUE(近似一致) |
検索方法
検索方法 | 詳細 |
---|---|
FALSE(完全一致) | 完全に一致するものを検索します |
TRUE(近似一致) | 検索値が見つからない場合は検索値未満で最大値を参照します(検索値は昇順に限る) |
VLOOKUP関数のメリット
VLOOKUP関数は、事務職やオフィスワークの仕事で、よく使われる関数で、次のようなメリットがあります。
下図の例では、『検索値』のB列に商品名を入力すると『価格』と『産地』が自動入力されます。
VLOOKUP関数とHLOOKUP関数の違い
VLOOKUP関数とHLOOKUP関数は、検索する値の並び方向によって使い分けます。
関数の種類 | 検索する値の並び方向 | 検索する範囲の向き |
---|---|---|
VLOOKUP関数 | 列方向(縦) | 縦向きの表 |
HLOOKUP関数 | 行方向(横) | 横向きの表 |
VLOOKUP関数とは?
VLOOKUP関数とは、検索する値が縦に並んでいる縦向きの表で使用する関数です。
(縦向きの表)
HLOOKUP関数とは?
HLOOKUP関数とは、検索する値が横に並んでいる横向きの表で使用する関数です。
(横向きの表)
VLOOKUP関数を便利に使うポイント
VLOOKUP関数で、新しいデータを追加しても自動反映されずに「#N/A」エラーが表示されることがあります。
VLOOKUP関数を設定する際に、テーブル機能や絶対参照を適用すると、次のようなメリットがあります。
Excelの機能 | 詳細 | メリット |
---|---|---|
テーブル | 範囲に使用する表にテーブル機能を設定する | 新規に項目を追加しても自動反映される |
絶対参照 | 範囲を設定する際に絶対参照を設定する | オートフィル使用時の#N/Aエラーを回避できる |
テーブル機能
VLOOKUP関数の設定の前後に「テーブル機能」を適用します。
(テーブル機能の適用例)
絶対参照
VLOOUP関数の範囲を設定する時に「絶対参照」を適用します。
(絶対参照の適用例)
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VLOOKUP関数の使い方【関数の挿入ボックス】
Excel初心者の方にも、簡単に操作できる『関数の挿入ボックス』を使用したVLOOKUP関数の使い方を紹介します。
最初にVLOOKUP関数の練習用の表を作成しましょう。
(練習用のサンプル表)
VLOOKUP関数の作業手順
VLOOKUPの使い方は、STEP1~STEP5の作業手順に従って操作してくだい。
- STEP1VLOOKUP関数を起動する
- STEP2検索値を指定する
- STEP3範囲を指定する
- STEP4列番号を指定する
- STEP5検索方法を選択する
STEP1:VLOOKUP関数を起動する
最初に『関数の引数』ダイアログボックスを使用する前に、VLOOKUP関数を起動して準備をします。
✨VLOOKUP関数の書式:=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)
🥉手順①:左側の表のセル【B2】に商品名を入力した時に価格を表示したいので、価格の列のセル【C2】を選択します。
🥉手順②:選択したセル【B2】に【=VL】と入力後【Tab】キーを押します。
🥉手順③:セル【C2】に【=VLOOKUP(】と表示されましたら、関数の挿入ボタン【fx】を押します。
■セル【C2】にVLOOKUP関数の数式が表示され、引数(検索値・範囲・列番号・検索方法)を設定できるようになりました。
■関数の挿入ボタンを押すと『関数の引数』ダイアログボックスが表示されます。
STEP2:検索値を指定する
✨VLOOKUP関数の書式:=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)
🥉手順①:『関数の引数』ダイアログボックスが表示されましたら『検索値』のボックスにカーソルを置き、検索値のセル番号【B2】を選択します。
STEP3:範囲を指定する
✨VLOOKUP関数の書式:=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)
🥉手順①:『関数の引数』ダイアログボックスの『範囲』のボックスに、右の表で値を参照する範囲セル【F2:H5】を範囲選択し【F4】キーを押して絶対参照【$F$2:$H$5】に設定します。
STEP4:列番号を指定する
✨VLOOKUP関数の書式:=VLOOKUP(検索値,検索範囲,列番号,検索方法)
🥉手順①:『関数の引数』ダイアログボックスの『列番号』のボックスに【2】と入力します。
左側の表で商品名を入力して価格を表示したいので、右側の表の検索範囲で価格の列は、左からら2番目になるので列番号【2】を使用します。
STEP5:検索方法を選択する
✨VLOOKUP関数の書式:=VLOOKUP(検索値,検索範囲,列番号,検索方法)
VLOOKUP関数の検索方法は、特別な理由がない限りFALSE(完全一致)を選択します。
FALSEとTRUEの違い
FALSE(完全一致) | 完全に一致するものを検索します |
TRUE(近似一致) | 検索値が見つからない場合は検索値未満で最大値を参照します(検索値は昇順に限る) |
FALSE(完全一致)
✨FALSE(完全一致)
🥉手順①:『関数の引数』ダイアログボックスの『検索方法』のボックスに、FALSE(完全一致)の【0】を入力して【OK】をクリックします。
✨FALSE(完全一致)
検索値(例:商品名)に値が入力されていない場合は、VLOOKUP関数の入力したセルに、#N/Aエラーが表示されます。
🥉手順②:左側の表の検索値(商品名の列)のセル【B2】に値(りんご)と入力し【Enter】キーを押します。
■検索値の商品名セル【B2】に【りんご】と入力すると、価格【1500】円が自動的に表示されます。
TRUE(近似一致)
TRUE(近似一致)とは、完全一致する値が見つからなかった場合に、検索値未満で最も近いデータを表示します。
TRUE(近似一致)を選択すると正しい結果を得られない場合が多いため、FALSE(完全一致)を選択することを推奨します。
TRUE(近似一致)を指定する場合は、検索方法のボックスに【1】と入力します。
✨TRUE(近似一致)
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2列目の値を抽出する方法
VLOOKUP関数で、複数の列の中から2列目の値を抽出して表示する場合は、最初に2列目の値を表示する場所(下図の赤枠)を、アクティブセルに指定します。
以降の手順は先ほど紹介した『VLOOKUP関数の使い方:関数の挿入ボックス』に従って作業します。
- 青枠 □(検索値)
- 赤枠 □(VLOOKUP関数を入力)
- 緑枠 □(範囲)
✨関数の挿入ボックスの入力例
■2列目のデータを抽出してデータが表示されました。
■VLOOKUP関数の「#N/A」エラーや「0」を修正する方法を別の記事で詳しく紹介しています。
VLOOKUP関数の使い方【数式を入力】
【VLOOKUP関数】を使用して、下図のセル【B2】の検索値に商品名を入力すると、右側の表のデータからセル【C2】に価格とセル【D2】に生産地が表示されるようにします。
(練習用のサンプル表)
STEP1:検索値を指定する
VLOOKUP関数の書式に従って検索値を設定します。
✨VLOOKUP関数の書式:=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)
🥉手順①:商品名を入力した時に価格を表示したいので、価格の列のセル【C2】を選択します。
🥉手順②:選択したセル【B2】に【=VL】と入力後【Tab】キーを押します。
■セル【C2】にVLOOKUP関数の数式が表示され、引数(検索値・範囲・列番号・検索方法)を設定できるようになりました。
🥉手順③:セル【C2】に【=VLOOKUP(】と表示されましたら、セル【B2】を選択し【,】カンマを入力します。
★入力例:=VLOOKUP(B2,
STEP2:範囲を指定する
✨VLOOKUP関数の書式:=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)
🥉手順④:右側の表(データを取り出す範囲)を選択(例:セル【F2~H5】を選択)します。
★入力例:=VLOOKUP(B2,F2:H5,
範囲を【絶対参照】に指定する
🥉手順⑤:右側の表(データを取り出す範囲)が選択(例:セル【F2~H5】を選択)された状態で、キーボードの【F4】キーを押して絶対参照に指定して、カンマ【,】を入力します。
★入力例:=VLOOKUP(B2,$F$2:$H$5,
(絶対参照にすると=VLOOKUP(B2,$F$2:$H$5,のように【$】ドルマークが付きます)
データを参照する範囲を絶対参照にすると、オートフィルを実行したときに、#N/Aのエラー発生を回避することができます。
STEP3:列番号を指定する
✨VLOOKUP関数の書式:=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)
🥉手順⑤:次に【,】カンマを入力し、商品名の列番号(例:2)を指定します。
★入力例:=VLOOKUP(B2,$F$2:$H$5,2
STEP4:検索方法を選択する
✨VLOOKUP関数の書式:=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)
🥉手順⑥:次に【,】カンマを入力し、検索方法を【FALSE:完全一致】を選択して【Tab】キーを押します。
🥉手順⑦:下図のように『数式バー』にFALSE(完全一致)が表示されたことを確認して【Enter】キーを押します。
※VLOOKUP関数で数式の最後の閉じカッコ【)】は「有り」「無し」どちらでも構いません。
✨数式の最後の閉じカッコを省略する場合
✨数式の最後に閉じカッコを付ける場合
🥉手順⑧:左側の表の検索値(商品名の列)のセル【B2】に値(りんご)と入力し【Enter】キーを押します。
★重要:エラー「#N/A」が表示される理由は商品名の【検索値】が、空白のためです。
(このエラーは【検索値】を入力すると消えます)
■検索値の商品名セル【B2】に【りんご】と入力すると、価格【1500】円が自動的に表示されます。
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2列目の値を抽出する方法
VLOOKUP関数で、複数の列の中から2列目の値を抽出して表示する場合は、最初に2列目の値を表示する場所(下図の赤枠)を、アクティブセルに指定します。
- 青枠 □(検索値)
- 赤枠 □(VLOOKUP関数を入力)
- 緑枠 □(範囲)
✨数式を直接入力した例
■2列目のデータを抽出してデータが表示されました。
■VLOOKUP関数の「#N/A」エラーや「0」を修正する方法を別の記事で詳しく紹介しています。
テーブルを活用する方法
VLOOKUP関数の表にテーブル機能を適用すると、新しいデータを追加した際に自動で反映されるので大変便利です。
VLOOKUP関数の表にテーブル機能を適用していない場合は、新しい値を追加した際に、値は表示されずに#N/Aエラーになります。
下図では値を参照する範囲(右側の表)に、新しい商品(メロン)を追加しました。
左側の表の検索値のセル【B6】に商品名(メロン)を追加しても、価格と産地は表示されず、#N/Aエラーが発生しています。
データが格納されている範囲を修正すると解決できますが、新しいデータを追加するたびに作業が発生するので余分な手間がかかります。
#N/Aエラーのセルを選択して【F2】キーを押して確認して見ると右側の表の範囲がすべて選択されていないため値を抽出できず、#N/Aエラーが表示されている状況です。
テーブルを挿入する方法
🥉手順①:値を参照する範囲の表を先頭行も含めて全て選択します。
今回は例として右側の表のセル【F1:H6】を選択しています。
🥉手順②:Excelのリボンから『挿入』タブを選択し、テーブルのグループ内から【テーブル】を選択します。
🥉手順③:『テーブルの作成』が表示されましたら【OK】をクリックします。
■値を取り出す表にテーブル機能が適用されました。
VLOOKUP関数でテーブルを活用することで、新しく値を追加するたびに自動的にデータが反映されますので大変便利です。
#N/Aエラーや0の表示について!
VLOOKUP関数では『検索値』が空白で指定されていない場合は、#N/Aエラーを返します。
右側の表(検索範囲)のセル【G3】が空白の場合は、VLOOKUP関数を設定した左側の表のセル【C3】には【0】が表示されます。
■VLOOKUP関数の「#N/A」エラーや「0」を修正する方法を別の記事で詳しく紹介しています。
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最後まで読んで頂きありがとうございます!