パソコンのHDDやSSDのデータを完全消去したい時に、通常のフォーマット(論理フォーマット)では、ストレージのデータを完全に消去することはできません。コマンドプロンプトを使用して、HDDやSSDのデータを完全に消去する方法を詳しく解説します!

★無料でHDDやSSDのデータを完全に消去したい
★コマンドプロントでdiskpartの使い方が知りたい
パソコン(HDD・SSD)のデータの削除方法について!
パソコンの売却や廃棄する場合は、個人情報や機密情報などの漏洩を防止するためにも、HDDやSSDのデータを完全に削除する必要があります。

一般社団法人【パソコン3R推進協議会】の公式サイトに記載されているパソコン(HDD・SSD)のデータを完全に消去するための3つの方法が推奨されています。
- ①専用ソフトウェアでデータを消去する
- ②専用装置でデータを消去する
- ③HDDやSSDを物理的に破壊する
フォーマットの種類
ゴミ箱でデータを削除した場合またはクイックフォーマットや論理フォーマットでデータを削除した場合は、データ上の管理領域だけが削除されデータ領域はストレージ内に残っているので、データ復元ソフトを使用してデータを復元することができます。

diskは複数のパーティションで構成されおり、diskのパーティションも【MBR】と【GPT】の2種類がありまが【Windowsのディスクの管理】からは、このパーティション情報を削除することはできません。
物理フォーマットを実行すると、ファイル復元ソフトを利用したデータの復元が不可能になります。
フォーマットの種類 | 特徴 | データの復元 |
---|---|---|
クイックフォーマット | Windowsで実行でき短時間で 必要最小限の処理を行います | 可能 |
論理フォーマット | ファイルシステムを再構築しデータの 読み書きができるようにする | 可能 |
物理フォーマット | ディスク全体に「0」を書き込む処理が実行され ディスクは完全フォーマットされます。 | 困難 |
diskpartコマンドとは?
Windows標準機能のコマンドプロントで、diskpartコマンドを実行することにより、HDDやSSDのパーディションの削除や、データを完全に消去することができます。
HDDやSSDなどのドライブに、diskpartコマンドで【Clean all】と実行すると、ドライブ全体に0データ(0x00)を1回書き込むので『物理フォーマット』と同等のデータ消去効果があり、データの復元が難しくなります。

diskpartコマンド一覧
ディスクの一覧から作業対象のディスクを選択し、任意のコマンドを入力し実行します。
コマンドプロンプトで【clean all】を実行すると、ファイル復元ソフトなどを利用したデータの復元が不可能になります。
diskpartコマンド | 特徴 | データの復元 |
---|---|---|
【clean】(通常はこれを選択) | ダーゲットディスクの パーティションを全て削除する 短時間で作業できます。 | 可能 |
【clean all】(完全初期化) | ディスク全体に「0」を書き込む処理が実行され ディスクは完全フォーマットされます。 作業時間が長時間になる。 | 困難 |
【format】(フォーマット) | パーティション情報を残して フォーマットします。 | 可能 |
✨ディスクを再度利用する場合
•コマンドにcleanと入力します。
•作業時間は【短時間】で終了します。
✨ディスクを廃棄処分する場合
•コマンドにclean allと入力します。
•データは完全消去されデータの復元は不可能となります。
•diskは工場出荷時の状態に戻ります。
•作業時間は【長時間】になります。(disk容量によっては数時間以上)
✨ディスクを継続使用する場合
•コマンドにformatと入力します。
•ファイルシステムを指定することが可能
•パーティション情報は残してデータだけを削除する場合に適しています。
diskpartコマンドの使い方
パソコンの売却や譲渡またはHDDやSSDの売却や廃棄を行う場合は、個人情報や機密情報などの漏洩を防ぐために、ストレージのデータを完全に消去しておくことをおすすめします。
Windows10/11のコマンドプロントを起動して、diskpartコマンドの【clean all】を実行することにより、Cドライブ以外のHDDやSSDなどのストレージのデータを完全に消去することができます。

🥉手順①:検索ボックスに【cmd】と入力します。

🥉手順②:検索結果の『コマンドプロント』から【管理者として実行】をクリックします。

🥉手順③:コマンドプロントが起動しましたら【diskpart】と入力し【Enter】キーを押します。
■入力は必ず半角英数字で入力します。

🥉手順④:diskpartが起動しましたら『DISKPART>』の右側から【list disk】と入力し【Enter】キーを押すと、ディスクの一覧が表示されます。
■入力方法:list(半角スペ-ス)disk

🥉手順⑤:ディスクの一覧が表示されましたら『DISKPART>』の右側から作業対象のディスク番号(例:select disk 1)を選択し【Enter】キーを押します。
■入力方法:select(半角スペ-ス)disk(半角スペ-ス)作業対象のディスク番号

🥉手順⑥:作業対象のディスクを選択しましたら『DISKPART>』の右側から【clean all】と入力し【Enter】キーを押します。
diskpartコマンドで【clean all】を実行すると、一般的なデータ復元ソフトでは復元できません。
■入力方法:clean(半角スペ-ス)all

■「DiskPartはディスクを正常にクリーンな状態にしました」と表示されましたら作業完了です。

🥉手順⑦:「DiskPartはディスクを正常にクリーンな状態にしました」とメッセージが表示されたのを確認し【exit】と入力し【Enter】キーを押して、diskpartを終了します。

🥉手順⑧:『diskpartを終了しています』と表示されましたら【exit】と入力し【Enter】キーを押してコマンドプロンプトを終了します。

ファイルシステムを指定してフォーマットする方法
OSの種類(Windows/Mac)などによって対応するファイルシステムが異なります。
ファイルシステムを指定するコマンド | 対象OS | ファイルの容量 |
---|---|---|
format fs=ntfs | Windows | 無制限 |
format fs=fat32 | Windows/Mac/Linux | 最大4GBまで |
format fs=exfat | Windows/Mac/Linux | 無制限 |
format fs=ntfs quick | Windows | 無制限 |
例えばNTFS形式でフォーマットする場合は、フォーマットする対象ディスクを指定した後に、下図の黄色い枠の箇所に【format fs=ntfs】と入力し【Enter】キーを押します。
★入力例:DISKPART>format fs=ntfs

■不要なファイルを削除できるディスククリーンアップの使い方を別の記事で紹介しています。