PDFファイルをExcelに変換する手順は、様々な方法がありますが、PDFの変換ソフトを使用しない簡単な方法を紹介します。Excel・Word・メモ帳などを使用して、瞬時にPDFファイルをExcelに変換する方法を詳しく解説します。
PDFファイルとは?
PDFを送るときは、相手が編集はしない前提で閲覧専用として送付する場合が多いと思います。
PDFファイルは相手の端末の環境に関係なく閲覧可能なので、データの受け渡しに頻繁に使用されますが、編集するためにはひと手間かかります。
PDFファイルとは、Portable Document Fomatの略です。
文字や図形、表などのデータを紙に印刷したときの状態を保存するためのファイル形式で、ファイルの拡張子が【.pdf】になっているファイルのことをPDFファイルと言います。
■今回、使用するPDFファイルのサンプルデータ
PDFファイルをExcelに変換して取り込む方法
PDFファイルをExcelに変換する方法は、Adobe AcrobatなどのPDF変換機能を有するソフトを使用する方法など、様々な方法があります。
今回は、無料で、しかも最速でPDFファイルをExcelに変換する方法を詳しく解説します。
Microsoft Office 365のExcelには、PDFファイルをExcelに変換できる機能が標準で装備されています。
Excelに直接PDFファイルのデータをコーピーして貼り付ける方法では、下図のようになり、別途編集作業が発生するため、おすすめできません。
PDFファイルをExcelに変換する方法3選
☘️表①の方法は、Microsoft Office365のExcelに限定されますが、Power Queryエディターを使用して最も速くPDFをExcelに変換することができます。
☘️表②の方法は、Microsoft OfficeのすべてのバージョンのWordを使用して、PDFファイルのデータをExcelに変換することができます。
☘️表③の方法は、Windows10/11のメモ帳を使用して、PDFファイルのデータをExcelに変換することができます。
使用するソフト | 特徴 | お勧め度 |
---|---|---|
①Excelを使用 | Office365のExcelを使用してPDFを簡単にExcelに変換が可能 | ★★★★★ |
②Wordを使用 | PDFのデータをWordにコピーしてExcelに変換することが可能 | ★★★★☆ |
③メモ帳を使用 | PDFのデータをメモ帳にコピーしてExcelに変換することが可能 | ★★★☆☆ |
Officeのバージョンによっては、Power Queryエディターの機能が使用できませんので注意してください。
Officeの種類 | Power Queryエディター機能 |
---|---|
Office365 | 〇 |
Office Personal | × |
Power Queryエディターを使用してPDFをExcelに変換する方法
ExcelにはPDFを変換できる機能(Power Queryエディター)がありますので、Office365のExcelを使用できる環境の方は、この機能を使用してPDFを簡単にExcelに変換することができます。
🥉手順①:Excelを『空白のブック』で起動します。
🥉手順②:Excelが起動しましたら『データ』タブを選択し『データの取得と変換』のグループから【データの取得】をクリックします。
🥉手順③:『データの取得』の一覧から③【ファイルから(F)】を選択し、次にファイルの種類の一覧から④【PDFから(P)】を選択します。
🥉手順④:『データの取り込み』の画面が表示されましたら【PDFファイル】が保管されている場所を開き任意のPDFファイルを選択し【インポート】をクリックします。
インポート方法を選択する方法
🥉手順①:『ナビゲーター』が表示されましたら、左側ペインのPDFファイルから【Table001(page1)】を選択しプレビューが表示されましたら、任意のインポート方法を選択します。
『ナビゲーター』の画面では、PDFファイルのインポート方法を選択することができます。
🥉手順②:PDFファイルを選択後は、次の3つインポート方法から任意の方法を選択してください。
✨読み込み:PDFファイルのデータをExcelに直接読み込むことができます。
✨読み込み先:データの読み込み先を既存のワークシート・新規ワークシートから選択します。
✨データの変換:データを編集してExcelに読み込むことができます。
ナビゲーター画面で【読み込み】を選択すると、PDFのデータを直接Excelにインポートすることができます。
🥉手順③:『ナビゲーター』が表示されましたら、左側ペインのPDFファイルから【Table001(page1)】を選択し【読み込み】をクリックします。
■ExcelにPDFのデータを読み込むことができました。
ナビゲーター:読み込み先
ナビゲーター画面で【読み込み先】を選択すると、PDFのデータのインポート先を選択することができます。
🥉手順①:『ナビゲーター』が表示されましたら、左側ペインのPDFファイルから【Table001(page1)】を選択し『読み込み』の右側の【v】をクリックし【読み込み先】を選択します。
🥉手順②:『データのインポート』画面が表示されましたら【既存のワークシート】または【新規ワークシート】のいずれかを選択します。
※通常は【新規ワークシート】で構いません。
■Excelの新規ワークシートにPDFのデータがインポートされました。
ナビゲーター:データの変換
先程のナビゲーター画面で【データの変換】を選択すると、PDFのデータを編集して、Excelにインポートすることができます。
🥉手順①:『ナビゲーター』が表示されましたら、左側ペインのPDFファイルから【Table001(page1)】を選択し【データの変換】を選択します。
🥉手順②:『Power Queryエディター』が起動しましたら『ホーム』タブが選択されていることを確認して【1行目をヘッダーとして使用】をクリックして【閉じて読み込む】をクリックします。
■Excelの新規ワークシートにPDFのデータがインポートされました。
■この記事を見た方にお勧めの商品
Excelの表を編集する方法
Excelの『Power Queryエディター』機能を使用して、PDFをExcelに変換すると、Excel内には、テーブル機能が有効の状態で取り込まれています。
PDFファイルのデータを編集したい場合は、Excelに変換すると、表の編集ができるようになりますので、テーブル機能を使用した編集方法と通常のセル範囲に変換して編集する方法を解説します。
テーブル機能を使用して表を編集する方法
データの集計や並べ替えを行う場合は、そのままの状態でテーブル機能を使用して編集します。
■Excelのテーブル機能についての詳細は、別の記事で詳しく紹介しています。
通常のセル範囲に変更して表を編集する方法
テーブル機能を解除して通常のセル範囲に変換して編集したり保存したりすることができます。
🥉手順①:表内の任意のセルを選択後『テーブルデザイン』タブを選択し『ツール』のグループ内の【範囲に変換】をクリックします。
■テーブル機能が解除され通常のセル範囲に変換されました。
■この記事を見た方にお勧めの商品
Wordを使用してPDFをExcelに変換する方法
Office PersonalのExcelには『Power Queryエディター』の機能がありませんので、Wordを使用してPDFをExcelに変換する方法を紹介します。
🥉手順①:Wordを『白紙の文書』で起動し【ファイル】タブをクリックします。
🥉手順②:『ファイル操作』の画面が表示されましたら【開く】をクリックします。
🥉手順③:『開く』の一覧の中から【参照】をクリックします。
🥉手順④:『ファイルを開く』が表示されましたら、任意のPDFファイルを選択し【開く】をクリックします。
🥉手順⑤:PDFファイルの表示に関する警告画面が表示されましたら【OK】をクリックします。
※PDFファイルをWordに取り込むまで、少し時間がかかりますので処理が完了するまで待ちます。
■WordにPDFファイルのデータがインポートされました。
🥉手順⑥:Wordに取り込まれた表(PDFのデータ)の左上の【╋】マークをクリックして、表を全て範囲選択します。
🥉手順⑦:表を全て選択した状態で『右クリック』して、メニューの一覧から【コピー】を選択します。
🥉手順⑧:Excelを『空白のブック』で起動し『ホーム』が選択されていることを確認し【貼り付け】をクリックします。
■Excelの既存のワークシートにPDFのデータが取り込まれます。
メモ帳を使用してPDFファイルExcel変換する方法
✨Windows10/11のメモ帳を使用します!
Windows11のメモ帳を使用してPDFファイルをExcelに変換する方法を解説します。
PDFファイルのデータを、1度メモ帳に取り込んで、そのデータを再度Excelへコピーすることにより、PDFファイルをExcelに変換することができます。
- STEP1PDFファイル内のデータをメモ帳にコピーする
- STEP2メモ帳にコピーしたデータをExcelへコピーする
- STEP3Excelに取り込んだデータを編集する
🥉手順①:任意のPDFファイルを開きます。
🥉手順②:PDFファイルを開きましたら、ショートカットキーの【Ctrl】+【A】を実行して、表を全て選択します。
※PDFファイルのデータをマウスで選択すると、表の右下の部分が選択されませんので、後で足りないデータを記入する必要があり、ひと手間かかります。
🥉手順③:Windows11のタスクバーのスタートボタンをクリックします。
🥉手順④:スタートメニューが開きましたら【すべてのアプリ】をクリックします。
🥉手順⑤:『すべてのアプリ』の一覧から【メモ帳】をクリックします。
🥉手順⑥:PDFのデータをショートカットキー【Ctrl】+【V】を実行して、メモ帳に貼り付けた後に【Ctrl】+【A】を実行して、メモ帳内のデータをすべて選択し【Ctrl】+【C】を実行して、コピーします。
🥉手順⑦:Excelにコピーしましたら、セル【A列】を全て選択します。
🥉手順⑧:『A列』を全て選択しましたら『データ』タブを選択し『データツール』グループ内の【区切り位置】を選択します。
🥉手順⑨:『区切り位置指定ウィザード1/3』が開きましたら『元のデータの形式』を【コンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとに区切られたデータ(D)】を選択し【次へ】をクリックします。
🥉手順⑩:『区切り位置指定ウィザード2/3』が開きましたら『区切り文字』の一覧から【スペース】だけを選択し【完了】をクリックします。
※標準では『区切り文字』の【タブ】にチェック☑が入っていますので、チェック☑を外します。
■PDFのデータがエクセルに正常に変換されました。
最後に罫線や先頭行に背景色を設定して表を編集して見栄えを整えます。
ExcelファイルをPDFに変換する方法
ExcelファイルをPDFファイルに変換する方法を解説します。
例として『支店別売上表』のExcelファイルをPDFファイルに変換します。
🥉手順①:PDFに変換したいデータが表示されていることを確認し【ファイル】タブを選択します。
🥉手順②:『ファイル操作』のメニューの一覧から【エクスポート】を選択します。
🥉手順③:『エクスポート』の画面が表示されましたら【PDF/XPSの作成】をクリックします。
🥉手順④:『PDFまたはXPS形式で発行』の画面が表示されましたら『ファイル名』を記入し『ファイルの種類』がPDFに選択されていることを確認し【発行】をクリックします。
■Excelのファイル形式からPDFのファイル形式へ変換されました。
■この記事を見た方にお勧めの商品
最後まで読んで頂きありがとうございます!