ファイル履歴とは、個人のファイルの消失や破損から、大切なデータを保護するためのWindowsの便利な機能です。誤ってゴミ箱からファイルを削除した場合や、上書き保存でファイルが消失した場合でも、ファイル履歴を使ってファイルを復元することができます。
Windows11のファイル履歴を有効化するための初期設定や、ファイル履歴を使用したファイルのバックアップと復元方法について詳しく解説します。

★ファイル履歴を有効(オン)にする方法が知りたい
★ファイル履歴の設定方法が知りたい
★ファイル履歴を使用したバックアップ方法が知りたい
★ファイル履歴を使用したファイルの復元方法が知りたい
ファイル履歴とは?
Windows11でファイル履歴がオンになっている場合に限り、ゴミ箱から削除したファイルを復元したり、システムイメージからWindowsを復元することもできます。
コントロールパネルのファイル履歴から、ファイル履歴の有効/無効を確認することができます。

ファイル履歴で復元できないデータとは?
Windows11のファイル履歴は、画像や音楽、ビデオ、ドキュメントなどの個々のファイルは復元できますが、システムファイルや一部のデータは復元することができません。
保護対象ファイルの判断基準 |
---|
個人用ファイル |
システムファイル |
著作権保護された音楽データや映像データ |
削除したアプリケーション |
クラウドから削除したファイル |
Googleドライブなど、クラウドから削除したファイルは、ファイル履歴を使用して復元することができません。
•Googleドライブ
•Dropbox
•Amazon Drive
•iCloud Drive
ファイルのバックアップに必要なもの
ファイル履歴を使用するためには、Cドライブ以外で、パソコンに接続された内臓または外付けのドライブ(HDD・SSD)が必要になります。

ファイル履歴をオンにする方法
Windows11で、初めてファイル履歴をオンにする場合は、バックアップ方法『自動選択』または『自分で選択する』のいずれかの初期設定が必要になります。
ファイル履歴を使用したバックアップ方法は次の2種類から選べます。
✨自動選択:Userファイル・システムイメージを全て含む
✨手動選択:データファイル・コンピュター(システムイメージ・その他のドライブ)から選択可能
初期設定が必要な状態
Windows11のデフォルト設定では、ファイル履歴は無効(オフ)になっており【オンにする】ボタンは、グレーアウトしているので、有効(オン)にするためには、初期設定が必要になります。
ファイル履歴の【オンにする】ボタンがグレーアウトしているため押せない

初期設定が完了した状態
初期設定で、バックアップの『自動選択』または『自分で選択する』に設定することで、ファイル履歴を有効(オン)にすることができます。
ファイル履歴をオフにする場合は【オフにする】ボタンを押す。

初期設定が完了後は、ファイル履歴の設定画面の右下にある【オンにする】ボタンが押せるようになります。
ファイル履歴をオンにする場合は【オンにする】ボタンを押す。

✨初期設定のバックアップフォルダー
ファイル履歴の初期設定では、ドキュメント、画像、ビデオ、音楽などのライブラリーを自動的にバックアップすることができます。

ファイル履歴をオンにする初期設定:バックアップ(自動選択)
ファイル履歴を使用したファイルのバックアップ方法(自動選択)を実行して、ファイル履歴をオンにする方法を解説します。
🥉手順①:デスクトップ画面の左下のWindowsのマーク『スタートボタン』をクリックし【すべてのアプリ】をクリックします。

🥉手順②:『すべてのアプリ』が表示されましたら【Windowsツール】を選択します。

🥉手順③:Windowsツールの一覧から【コントロールパネル】を選択します。

🥉手順④:コントロールパネルが表示されましたら【ファイル履歴でファイルのバックアップコピーを保存】をクリックします。

🥉手順⑤:バックアップと復元の画面から【バックアップの設定】をクリックします。

🥉手順⑥:バックアップの設定が表示されましたら、バックアップを保存する場所の選択の一覧から【バックアップを保存するドライブ】を選択し【次へ】をクリックします。

🥉手順⑦:『バックアップの対象』から【自動選択】を選択して【次へ】をクリックします。

🥉手順⑧:【バックアップの設定内容】を確認し【設定を保存してバックアップを実行する】をクリックします。

■ファイルのバックアップが完了するまで待ちます。

■ファイルのバックアップが完了すると右下に【ファイルの復元】ボタンが表示され、ファイル履歴は有効(オン)に設定されました。

ファイル履歴をオンにする初期設定:バックアップ(自分で選択する)
ファイル履歴を使用したファイルのバックアップ方法(自分で選択する)を実行して、ファイル履歴をオンにする方法を解説します。
🥉手順①:タスクバーの『スタートボタン』をクリックし、スタートメニューが表示されましたら【すべてのアプリ】をクリックします。

🥉手順②:すべてのアプリの一覧から【Windowsツール】を選択します。

🥉手順③:Windowsツールの一覧から【コントロールパネル】を選択します。

🥉手順④:コントロールパネルが表示されましたら、システムとセキュリティの項目から【ファイル履歴でファイルのバックアップコピーを保存】をクリックします。

🥉手順⑤:バックアップと復元の画面が表示されましたら【バックアップの設定】をクリックします。

🥉手順⑥:『バックアップを保存する場所の選択』から【バックアップの保存先】を選択し【次へ】をクリックします。
今回は例として【ボリューム(E)[推奨]を選択しました。

🥉手順⑦:『バックアップの対象』から【自分で選択する】を選択し【次へ】をクリックします。

🥉手順⑧:『バックアップ対象』から、バックアップに含める項目を設定し【次へ】をクリックします。
バックアップに含める項目は、Userフォルダー・ローカルディスク(システムイメージ)・ボリューム(その他のドライブ)から任意に選択できます。

■『バックアップの対象』では、Userフォルダー内の個別のフォルダーを選択することもできます。

🥉手順⑨:『バックアップ設定の確認』では【選択項目】を確認して【設定を保存してバックアップを実行】をクリックします。

■ファイルのバックアップが完了するまで待ちます。
これでファイル履歴は、有効(ON)になりました。

ファイル履歴の設定方法
ファイル履歴で、バックアップの頻度や、除外するフォルダーなどを設定することにより、バックアップ先のドライブの容量を節約することができます。
古いバージョンのクリーンアップを実行すると、ドライブの空き容量が増えます。

バックアップの頻度と保存期間の設定
ファイル履歴が有効(オン)になっていることを確認して、バックアップの頻度と保存期間を設定します。
🥉手順①:コントロールパネルの『システムとセキュリティ』の項目から【ファイル履歴でファイルのバックアップコピーを保存】を選択します。

🥉手順②:ファイル履歴が表示されましたら、左側ペインから【詳細設定】を選択します。

🥉手順③:詳細設定が表示されましたら『バージョン』の一覧から『ファイルのコピーを保存する頻度』と『保存されたバージョンを保存する期間』を設定します。

■下図左側:ファイルのコピーを保存する頻度
■下図右側:保存されたバージョンを保存する期間


除外するフォルダーを指定する
ファイル履歴が有効(オン)になっていることを確認して、除外フォルダーを指定します。
ファイル履歴の初期設定では、下図の12種類のフォルダーがバックアップされますので、除外したいフォルダーを指定することができます。

🥉手順①:ファイル履歴を開き左側ペインから【除外するフォルダー】を選択します。

🥉手順②:『ファイル履歴から除外する』が表示されましたら【追加】をクリックします。

🥉手順③:フォルダーの選択が表示されましたら、除外する任意のフォルダーを選択して【フォルダーの選択】をクリックします。
今回は例として、ミュージックとビデオを除外フォルダーに指定しました。

🥉手順④:『ファイル履歴から除外する』が表示されましたら、除外するフォルダーが追加されていることを確認して【変更の保存】をクリックします。

古いバージョンをクリーンアップする
ファイル履歴が有効(オン)になっていることを確認して、古いバージョンのクリーンアップを実行します。
🥉手順①:ファイル履歴を開き左側ペインから【詳細設定】を選択します。

🥉手順②:詳細設定が表示されましたら『バージョン』の項目から【古いバージョンのクリーンアップ】を選択します。

🥉手順③:ファイル履歴のクリーンアップが表示されましたら、削除したい過去のファイル履歴を選択します。

🥉手順④:削除するファイル履歴を選択しましたら【クリーンアップ】をクリックします。

過去のファイル履歴が見つからなかった場合はエラーが表示されますので【閉じる】をクリックしてもう一度やり直します。

以前のバージョンからファイルを復元する方法
ファイル履歴が有効(ON)の場合は、復元するファイルが入っていたフォルダを指定して『以前のバージョン』を使って、削除したファイルを復元することができます。
ファイル履歴 | ファイルの復元 |
---|---|
ON | 可能 |
OFF | 不可能 |
🥉手順①:削除したファイルが入っていたフォルダを右クリックし、コンテキストメニューが表示されましたら【プロパティ】を選択します。

🥉手順②:『新しいフォルダーのプロパティ』が表示されましたら【以前のバージョン】を選択し【OK】をクリックします。

🥉手順③:次に『以前のバージョン』のタブを選択した状態で、更新日時が新しいフォルダーを選択し【復元】をクリックします。

🥉手順④:以前のバージョンで、復元の確認画面が表示されましたら【復元】をクリックします。

🥉手順⑤:以前のバージョンで「フォルダは以前のバージョンに正しく復元されました」が表示されましたら【OK】をクリックします。
■この作業が完了後に元のフォルダに削除したファイルが復元されています。

ファイル履歴からファイルを復元する方法
ファイル履歴が有効(オン)の場合は『ファイル履歴』から、削除したファイルを復元することができます。
但し、Windows11の設定から『ファイル履歴のバックアップ』操作を実行した場合は復元できるファイルが限定されます。
ファイル履歴 | ファイルの復元 |
---|---|
ON | 可能 |
OFF | 不可能 |
✨復元できないファイル
Googleドライブなど、クラウドから削除したファイルは、ファイル履歴を使用して復元することができません。
•Googleドライブ
•Dropbox
•Amazon Drive
•iCloud Drive
🥉手順①:『コントロールパネル』を開き【システムとセキュリティ】を選択します。

🥉手順②:『システムとセキュリティ』の一覧から【ファイルの履歴】を選択します。

🥉手順③:ファイルの履歴が表示されましたら、左側ペインの【個人用ファイルの復元】を選択します。

🥉手順④:ファイル履歴でバックアップされたフォルダーの一覧が表示されましたら、、復元したいファイルが格納されたフォルダを選択し【元の場所へ復元します】をクリックするとフォルダが元の場所へ復元されます。

システムイメージからWindowsを復元する方法
ファイル履歴のバックアップに、システムイメージやローカルディスク(C)を含めている場合は、システムイメージから、Windows11を復元することができます。
ファイル履歴のバックアップで「自動選択」を選択した場合は、自動的にシステムイメージが含まれますので、システムイメージからWindows11を復元することができます。
(自動選択)

ファイル履歴のバックアップで「自分で選択する」を選択し、バックアップ対象にローカルディスク(C)に、✓チェックマークを入れている場合は、システムイメージからWindows11を復元することができます。
(自分で選択する)

システムイメージが作成されると、Windows11の設定からシステムを選択し回復から作業を進めていくと、Windows11を復元することができます。

■システムイメージからWindows11を復元する方法は別の記事で詳しく紹介しています。