インターネットを利用する際に、大切なログイン情報の管理は欠かせません。Webサービスのログインパスワードを変更したときは、ブラウザに保存したパスワードも変更する必要があります。Microsoft Edgeのパスワードマネージャーは、Webサイトごとに個別で、パスワードの確認・変更・削除を行うことができます。
本記事では、Microsoft Edgeに保存したパスワードの管理方法や、パスワードのインポートとエクスポートについても詳しく解説します。

★Microsoft Edgeに保存したパスワードの確認および変更方法が知りたい
★Microsoft Edgeに保存したパスワードの削除方法が知りたい
★Microsoft Edgeのパスワードをエクスポートする方法が知りたい
★Microsoft Edgeにパスワードをインポートする方法が知りたい
パスワードマネージャーとは?
Microsoft Edgeに搭載されたパスワードマネージャーは、ログインIDとパスワードを管理する機能に加え、安全性と使い勝手を両立した便利なツールです。
Webブラウザは、ホームぺージを表示することが主な機能ですが、パスワードマネージャーは、認証した際のユーザー名やパスワードをWebブラウザに保存して、次に必要な時に自動で入力してくれる便利な機能を備えています。
Microsoftアカウントでログインすると、他のデバイス(PC・スマホ)でも、同じユーザー名とパスワードを使用することができます。

パスワードマネージャーのメリット
パスワードマネージャーは、クレジットカ-ド情報(カード番号・有効期限・カード名義)を安全に保存し、オンラインショッピングなどのWebサービスのログイン操作を簡単に行えるメリットがあります。
パスワードマネージャーのデメリット
最近では多要素認証を設定しても、フィッシング詐欺や情報窃取型マルウェアの感染によるパスワード漏洩の被害が数多く報告されています。
Microsoft EdgeやGoogle Chromeなどのブラウザに搭載されたパスワードマネージャーの安全性が危惧されるようになりました。
ロックアウト機能とは、システムや機械への不正アクセスや誤操作を防止するためのセキュリティ対策です。
具体的には、パスワードを、一定回数以上間違えた場合や、メンテナンス作業中に第三者が機械を操作できないようにするなどの目的で利用されます。
Microsoft Edgeのパスワードマネージャーのセキュリティー

Micsosoft Edgeのパスワードマネージャーは、AES-256というアメリカ政府の機密文書の保護に使用されいる、最高品質の暗号化技術を使用しています。
Microsoft Edgeのパスワード マネージャーは、ユーザーがオペレーティング システムにログオンしているときにのみアクセスできるように、パスワードを暗号化しています。
Microsoft Edge は、パスワードを暗号化して、ディスクに格納します。 これらは AES を使用して暗号化され、暗号化キーはオペレーティング システム (OS) ストレージ領域に保存されます。 この手法は、ローカル データ暗号化と呼ばれます。 ブラウザーのすべてのデータが暗号化されているわけではありませんが、パスワード、クレジット カード番号、Cookie などの機密データは保存時に暗号化されます。
引用元:Microsoft Leam
ブラウザに保存されたパスワードの危険性
Microsoft EdgeやGoogle chromeなどのWebブラウザにパスワードを保存すると、パスワードが漏洩するリスクがあります。
ブラウザにログイン情報を保存できるパスワードマネージャーは、無料で使える大変便利なツールですが、近年ではフィッシング詐欺や、インフォスティーラーなどの情報窃取型マルウェアの登場により、ログイン情報が盗み取られる被害が数多く報告されています。
2025年6月にGoogleは、約160億件以上のログイン情報が流出したことを発表しました。
Gmailアカウントなどに紐づけられたパスワードの使用を中止し、パスキー方式に変更することを強く推奨しています。
マイクロソフトは、2025年3月16日から5月16日までの間に、世界中のWindowsコンピュター39万4000台が、Lummaマルウェアに感染していることを明らかにしました。
Lummaマルウェアとは、感染したパソコンから、パスワード・クレジットカード情報・銀行口座などを盗み取る情報窃取型マルウェアです。

■Windows11でパスキーを設定および削除する方法は別の記事で詳しく紹介しています。
変化するパスワード管理の常識

Webブラウザ(Microsoft Edge・Google Chrome・Safari・Mozilla Firefox)に、パスワードを保存しておくと、Webサービスに次回ログインするときに、ユーザー名とパスワードを入力する手間が省けるので、たいへん重宝します。
しかし、Webブラウザにユーザー名やパスワードを保存すると、サイバー攻撃やフィッシング詐欺・デバイスのウイルス感染などにより、ログイン情報を盗み取られる危険性があります。
✨過去のパスワード管理の常識
①パスワードは定期的に変更しないと危険である
②SMSやMailなどによる2段階認証(2FA)なら安心
③紙の手帳などにパスワードを書き写すことは危険
④SMSアカウントを使ったソーシャルログインなら安心
✨NISCが推奨するパスワード管理
①十分に複雑なパスワードなら、パスワードの定期変更は基本的に不要。
②多要素認証でSMSは乗っ取りされた例もあるので、トークンアプリや生態認証を推奨。
③パスワード管理はスマホアプリか物理的な紙のノートの利用を推奨。
④ソーシャルログインはSNSにより認証情報が漏れた事例もあり個別のパスワードを推奨。
NISCをは内閣サイバーセキュリティセンターで、日本のサイバーセキュリティに関する政策を統括する内閣官房の組織です。
ソーシャルログインとは、Webサイトやアプリにログインする際に、FacebookやGoogle、LINEなどのSNSアカウントを使って認証を行う仕組みのことです。
これにより、ユーザーは新しいアカウントを作成する手間を省き、普段使い慣れたSNSアカウントで簡単にログインできるようになります。
Microsoft Edgeで保存したパスワードを管理する方法
Edgeのパスワードマネージャーを使用して、ブラウザに保存されたパスワードの確認・変更・削除する方法や、ユーザー名やパスワードをコピーする方法を紹介します。

Microsoft Edgeのウォレットの画面から保存したパスワードの管理(確認・変更・削除)を行うことができます。
- STEP1Edgeを起動する
- STEP2ウォレットを開く
- STEP3パスワードの管理(確認・変更・削除)を行う
ウォレットの開き方
Microsoft Edgeのウォレットとは、オンラインショッピングや、パスワード管理をより便利で安全にするための機能です。
具体的には、クレジットカード情報やパスワード、住所などの情報を安全に保存し、オンラインフォームへの自動入力やパスワードの自動生成・管理をサポートします。
🥉手順①:タスクバーから、Microsoft Edgeを起動します。

🥉手順②:Edgeを起動して、ウインドウ右上の三点リーダー【…】をクリックします。

🥉手順③:表示されたメニューの一覧から【パスワード】を選択すると、ウォレットの画面が表示されます。

ウォレットの画面で、Edgeに保存したパスワードの確認・変更・削除を行うことができます。

パスワードを確認する方法
Webサービスへのログインパスワードを忘れてしまったときは、Microsot Edgeのパスワードマネージャーで確認することができます。
🥉手順①:ウォレットの画面を開き、利用しているWebサイトの一覧から、パスワードを変更するWebサイト(例:Google.com)を選択します。

🥉手順②:Windowsセキュリティが表示されましたら、Windowsにログインする時に使用する【PIN】を入力します。

🥉手順③:パスワードを確認するWebサイト(例:Googleアカウント)の、目のマーク【パスワードを表示】のボタンをクリックすると、パスワードが表示されます。

パスワードを変更する方法
オンラインショッピングやWebサービスなどの、ログインパスワードを変更する前に、Edgeに保存したパスワードを変更すると、ログイン認証ができなくなりますので、ご注意ください。
- STEP1Webサービスのパスワードを変更する
- STEP2Edgeに保存したパスワードを変更する
🥉手順①:ウォレットの画面を開き、利用しているWebサイトの一覧から、パスワードを変更するWebサイト(例:Google.com)を選択します。

🥉手順②:Windowsセキュリティが表示されましたら、Windowsにログインする時に使用する【PIN】を入力します。

🥉手順③:パスワードを変更するWebサイト(例:Google)の、パスワードの【編集】ボタンをクリックします。

🥉手順④:パスワードの編集画面が表示されましたら、目のマーク【パスワードを表示】のボタンをクリックします。

🥉手順⑤:パスワードが表示されましたら、新しいパスワードを記入して【完了】ボタンをクリックすると、パスワードが変更されます。

パスワードを削除する方法
利用していたWebサービスのアカウントを削除した場合や、ログイン方法を、パスキー方式に変更した場合は、ブラウザに保存したパスワードを削除することが推奨されています。
🥉手順①:ウォレットの画面を開き、利用しているWebサイトの一覧から、パスワードを変更するWebサイト(例:Google.com)を選択します。

🥉手順②:Windowsセキュリティが表示されましたら、Windowsにログインする時に使用する【PIN】を入力します。

🥉手順③:パスワードを削除するWebサイト(例:Google)の、パスワードの【削除】ボタンをクリックします。

■Edgeに保存したパスワードが削除されると「1つのパスワードが選択されました」というメッセージが表示されますので【閉じる】をクリックします。
パスワードの削除をキャンセルする場合は【元に戻す】をクリックします。

ユーザー名をコピーする方法
Microsoft Edgeに記憶させたユーザーIDをコピーする方法を紹介します。
コピーしたユーザーIDは、クリップボードに保管されまますので、ショートカットキー【Ctrl】+【V】を操作し、メモ帳やWordにコピーすることができます。
🥉手順①:ウォレットの画面を開き、利用しているWebサイトの一覧から、パスワードを変更するWebサイト(例:Google.com)を選択します。

🥉手順②:Windowsセキュリティが表示されましたら、Windowsにログインする時に使用する【PIN】を入力します。

🥉手順③:ユーザー名をコピーするWebサイト(例:Google)の【ユーザー名をコピーする】をクリックします。

🥉手順④:メッセージ『ユーザー名がコピーされました』が表示されましたら【閉じる】をクリックします。
コピーしたユーザー名は、クリップボードに保管されまますので、ショートカットキー【Ctrl】+【V】を操作し、メモ帳やWordに、コピーして大切に保存してください。

パスワードをコピーする方法
Microsoft Edgeに保存したパスワードをコピーする方法を紹介します。
コピーしたパスワードは、クリップボードに保管されまますので、メモ帳やWordの文書に、ショートカットキー【Ctrl】+【V】で貼り付けることができます。
🥉手順①:ウォレットの画面を開き、利用しているWebサイトの一覧から、パスワードを変更するWebサイト(例:Google.com)を選択します。

🥉手順②:Windowsセキュリティが表示されましたら、Windowsにログインする時に使用する【PIN】を入力します。

🥉手順③:パスワードをコピーするWebサイト(例:Google)の【ユーザー名をコピーする】をクリックします。

🥉手順④:メッセージ『パスワードがコピーされました』が表示されましたら【閉じる】をクリックします。
コピーしたパスワードは、クリップボードに保管されまますので、ショートカットキー【Ctrl】+【V】を操作し、メモ帳やWordにコピーして大切に保存してください。

■Windows11でパスキーを設定および削除する方法は別の記事で詳しく紹介しています。
パスワードをエクスポートする方法
エクスポートしたCSVファイルは、平文のため「他の人にファイルを渡さない」及び「PC内に保存しない」ことをおすすめします。
Microsoft Edgeからエクスポートしたパスワードの保存先は、USBメモリやSDカードなどの外部記憶装置に保存して大切に保管してください。

🥉手順①:Microsoft Edgeのウォレットの画面を開き上部メニュー右側の三点リーダー【…】をクリックします。

🥉手順②:メニューが表示されましたら【パスワードのエクスポート】を選択します。

🥉手順③:パスワードのエクスポート画面が表示されましたら【パスワードのエクスポート】をクリックします。

🥉手順④:Windowsセキュリティが表示されましたら、Windowsにログインする時に使用する【PIN】コードを入力します。

🥉手順⑤:エクスプローラーが起動しましたら、パスワードを保存するフォルダーを指定または、フォルダーを新規作成して【保存】をクリックします。

■エクスポートしたパスワードファイルは、CSV形式で保存されます。
エクスポートしたパスワードのファイルは、セキュリティを考慮して、USBメモリやSDカードなどの外部記憶装置に保存して大切に保管することをおすすめします。

パスワードをインポートする方法
Microsoft Edgeでパスワードをインポートすると、同じWebサイトとユーザー名のパスワードが、存在しているか自動的に確認されます。
ブラウザ内に保存したパスワードと、インポートするパスワードが異なる場合は、既存のパスワードにインポートするパスワードが上書きされます。
他のブラウザ(Google ChromeやMicrosoft Internet Explorer)からも、Microsoft Edgeへパスワードのインポートを行うことができます。

🥉手順①:Microsoft Edgeのウォレットの画面を開き上部メニュー右側の三点リーダー【…】をクリックします。

🥉手順②:メニューが表示されましたら【パスワードのエクスポート】を選択します。

🥉手順③:パスワードのインポート画面が表示されましたら、インポート元の欄に【パスワードCSVファイル】を指定して【ファイルを選択】をクリックします。

🥉手順④:Microsoft EdgeからエクスポートしたパスワードのCSVファイルを指定して【開く】をクリックすると、パスワードのインポートが開始されます。

🥉手順⑤:『インポートが成功しました』のメッセージが表示されましたら【完了】をクリックします。

■Windows11でパスキーを設定および削除する方法は別の記事で詳しく紹介しています。