Windows10のサポート終了に伴い、Windows11への移行を考えている方も多いかと思います。Windows11のシステム要件を満たさないPCは、Windows11にアップグレードできません。非対応PCにWindows11の最新版【25H2】をインストールする方法を詳しく解説します。
マイクロソフト非推奨にはなりますが、非対応の古いPCにWindows11の最新版【25H2】を適用して古いPCを延命しましょう。

★Windows10の古いPC(Windows11非対応)をWindows11へアップグレードしたい
★Windows11非対応PCを最新バージョン【25H2】へアップデートしたい
★ツールを使用せずにWindows11の最新版を古い非対応PCにインストールしたい
Windows11最新版25H2の概要
2025年9月30日に、一般提供が開始された「Windows11 25H2」は、OSのコアを前バージョンのver.24H2と共有しています。
Windows11 25H2は、派手なUI変更や劇的な新機能はなく、24H2で導入された機能の有効化やセキュリティ機能の強化、パフォーマンスの最適化などを含む、小規模な機能変更アップデートに位置づけられます。
また「Windows11 25H2」では、WMICとPowerShell2.0がシステムから削除されました。
Windows11 25H2は、従来の年次アップデートよりも軽量で、インストール中の再起動も少なく従来の大型アップデートよりもインストールが短時間で終了しました。

Windows11【25H2】CPUの互換性
Intel Core2DuoおよびCore2QuadなどのIntel core2世代以前のCPUは、Windows11 25H2ではサポートされていません。
Windows11 24H2より、SSE4.2 PopCnt命令をサポートしたCPUが必須となり、Intel Core2世代のCPUを搭載したパソコンは、Windows 25H2にアップグレードすることができません。
Windows11 25H2にアップグレードするためには、Intel Core2より新しい世代のCPUが必要です。

Windows11のシステム要件
Windows11のシステム要件とは、Windows11を実行するために最低限必要なハードウェア構成で、CPUやメモリ、TPM2.0などの7つのシステム要件が求められます。
(Windows11システム要件)
システム要件 | ハードウェア構成 |
---|---|
プロセッサー(CPU) | 1GHz以上で2コア以上64bit intelは第8世代以降・AMDはZen2以降 |
メモリ | 4GB以上 |
ストレージ | 64GB以上の記憶装置 (HDD・SSD) |
システムファームウェア | UEFI・セキュアブート対応 |
TPM | TPMバージョン2.0以上 |
グラフィックカード | DirectX12以上(WDDM2.0ドライバー)に対応 |
ディスプレイ | 対角サイズ9インチ以上・8ビットカラーの高解像度720P以上 |
その他 | インターネット接続・Microsoftアカウント |
👉Microsoft公式サイト【Windows11のシステム要件】の詳細はこちら!
PC正常性チェックアプリの入手方法と使い方!
PC正常性チェックアプリとは、手持ちのパソコンをWindows11へアップグレードする際に、Windows11のシステム要件を満たしているか、ハードウェアの互換性を確認するアプリケーションです。
PC正常性チェックアプリの入手方法と使い方を紹介します。
🥉手順①:Microsoft公式サイト「Windows11の仕様、機能、コンピュターの要件を確認する」へアクセスし【PC正常性チェック】をクリックすると「PC正常性チェックアプリ」がパソコンにダウンロードされます。

👉Windows11【PC正常性チェックアプリ】の入手先はこちら!
🥉手順②:ダウンロードフォルダーを開き【PC正常性チェックアプリ】のファイルをダブルクリックします。

🥉手順③:ダウンロードした『PC互換性チェックアプリ』をダブルクリックして実行すると、下記のような画面が表示されますので【今すぐチェック】をクリックして、PC正常性チェックを開始します。

画像を7点を引用
引用元:マイクロソフト公式サイト
PC正常性チェック診断結果(合格)
Windows11のシステム要件を満たしている場合は、下図のように「このPCはWindows11を実行できます」と表示されます。

✨メインPCのシステム要件の診断結果

✨メインPCのスペック
★CPU:intel core i7 9700f(3.0GHz・8コア)
★メモリ:DDR4・8GB(デュアルチャンネル)
★ストレージ:ADATA SX8200 PNP M.2
PC正常性チェック診断結果(不合格)
Windows11を適用するためには、Intel第8世代以降のCPUまたはAMDのZen2以降のCPUや、4GB以上のメモリ、TPM2.0などのシステム要件を満たす必要があります。
✨ノートパソコンのシステム要件の診断結果

✨ノートパソコン:Lenovo(ideapad 330-15AST)

✨ノートパソコンのスペック
★CPU:AMD:E2 9000(1.8GHz・2コア)
★メモリ:DDR4・4GB(シングルチャンネル)
★ストレージ:WD BLUE(SSD-240GB)
非対応PCに、Windows11 25H2のインストールを試みましたが、CPUの要件を満たしていないためWindows11をインストールすることができませんでした。

■TPM2.0の有効化(ASUS)とTPMを確認する方法は別の記事で詳しく紹介しています。
■セキュアブートの有効化(ASUS)と確認方法は別の記事で詳しく紹介しています。
Windows11アップグレード前の準備と注意点
Windows11のシステム要件を満たしていないPCに、マイクロソフト非推奨の方法でインストールすると、Windowsが正常に動作しなくなったり、大切なデータを消失していまうなどのトラブルが発生する場合があります。
Windows11アップグレード前の準備と注意点を必ず確認してください。

Windows11のバックアップを作成しておくと、パソコンに不具合が発生した時にWindows11を「以前のビルド」に戻すことができます。
■Windows11のバックアップと復元方法は別の記事で詳しく紹介しています。
非対応PCにWindows11の最新版25H2をインストールする方法
Windows11【24H2】を適用した非対応PCを、Windows11【25H2】にアップデートしました。

コマンドプロンプトを使って、Server機として誤認識させることにより、Windows11のシステム要件を回避することができます。
Windows10適用の非対応PCや、Windows11の他のビルドからのアップグレード検証は行っていませんが技術的には可能です。
☘️非対応PC:Windows11【24H2】➡Windows11【25H2】検証済
☘️非対応PC:Windows10➡Windows11【25H2】未検証(技術的には可能)
当サイトで以前に紹介した「appraiserres.dllを修正する方法」は、Windows11【24H2】以降は対策されており、非対応PCにWindows11 25H2をインストールすることはできません。
アップグレード方法 | 検証結果 |
---|---|
appraiserres.dllを修正する方法 | ✕ |
Server機と誤認識させる方法 | 〇 |
✨非対応PCにWindows11をインストールする際の注意点
本記事で紹介している非対応PCにWindows11をインストールする方法は、マイクロソフト非推奨の方法になります。
マイクロソフト非推奨の方法でWindows11をインストールすると「互換性の問題」や「パソコンが正常に動作しない」などのトラブルが発生することがあります。
Windows11のシステム要件を満たしていないPCへのインストールは、技術的には可能ですが、Windows11のアップグレードに失敗したり「セキュリティ更新プログラム」を受け取れなくなるリスクもありますので、インストールする場合は自己責任でお願いします。
✨アップグレード検証に使用したPCのスペック
今回、使用した2台の非対応PCは、CPUの要件を満たしておらず、TPM2.0を有効化した状態で、Windows11 25H2へのアップグレード検証を行いました。
Lenovo(ideapad 330-15AST)

NEC LAVIE Desk All-in-one(PC-DA770GAB)

✨アップグレード検証に使用したPCのWindows11のバージョン
アップグレード検証に使用したWindows11 24H2を適用済の2台の非対応PCは、無事に2台ともWindows11 25H2にバージョンアップすることができました。

✨Windows11アップグレードの作業概要
Windows11 25H2のインストールが完了するまで、1時間以上かかる場合があります。
- STEP1ISOファイルのダウンロード
- STEP2ISOファイルをマウントする
- STEP3Setupコマンドの実行
- STEP4Windows Serverセットアップの開始
- STEP5コマンドプロンプトを閉じる
- STEP6Windows11のインストールを開始
🥉手順①:マイクロソフト公式サイトの『Windows11ダウンロード』にアクセスします。

👉Microsoft公式サイト【Windows11のダウンロード】はこちら!
🥉手順②:「Windows11のダウンロード」サイトにアクセスしましたら『×64デバイス用Windows11ディスクイメージ(ISO)をダウンロードする』の項目のプルダウンリストを展開し【Windows11(×64デバイス用のマルチエディションISO)】を選択して【今すぐダウンロード】をクリックします。

🥉手順③:『製品の言語の選択』の画面が表示されましたら、プルダウンリストを展開し、言語を【日本語】に指定して【確認】をクリックします。

🥉手順④:『ダウンロード-Windows11日本語』の画面が表示されましたら【64ビット ダウンロード】をクリックします。

■ISOファイルのダウンロードが完了するまで待ちます。

🥉手順⑤:ダウンロードフォルダーを開き保存されたISOファイルを右クリックします。

🥉手順⑥:ISOファイルを右クリックすると、コンテキストメニューが表示されますので【マウント】をクリックします。
マウントをクリックすると仮想DVDドライブが作成されISOファイルが読み込まれます。

マウントとは、イメージディスクを仮想ディスクとして認識させる機能です。
ISOファイルをマウントすると、パソコン上で仮想的なDVDドライブとして認識され、物理的なディスクを挿入した場合と同じように使用できます。
✨コンテキストメニューにマウントが表示されていない場合
コンテキストメニューに「マウント」が表示されていない場合は、コンテキストメニューの一覧から『プログラムから開く』を選択し【エクスプローラー】をクリックします。

🥉手順⑦:『開いているファイル-セキュリティ警告』の画面が表示されましたら【開く】をクリックします。

PCの「デバイスとドライブ」の一覧に作成された仮想DVDドライブにISOファイルが読み込まれていることを確認します。

🥉手順⑧:PCの「デバイスとドライブ」の一覧に作成された仮想DVDドライブに、ISOファイルが読み込まれていることを確認しましたら、タスクバーの検索ボックスに【cmd】と入力します。

🥉手順⑨:検索結果にコマンドプロンプトが表示されましたら【管理者として実行】をクリックします。

🥉手順⑩:ユーザーアカウント制御が表示されましたら【はい】をクリックします。

🥉手順⑪:コマンドプロンプトが起動しましたら、PCの「デバイスとドライブ」の一覧に作成された仮想DVDドライブの「ドライブ文字」と同じ値と「コロン」(例【e:】)を、半角英数字で、コマンドプロンプトに入力し、キーボードの【Enter】キーを押します。
☘️入力例 ➡ e:(仮想DVDドライブのドライブ名と同じ値とコロン)

🥉手順⑫:コマンドプロンプトに、半角英数字で【setup /product server】と入力し、キーボードの【Enter】キーを押します。
☘️入力例 ➡ setup(半角スペース)/product(半角スペース)server

🥉手順⑬:『Windows Serverセットアップ』の画面が表示されましたら、コマンドプロンプトに【exit】と入力し、キーボードの【Enter】キーを押して、コマンドプロンプトを終了します。
※コマンドプロンプトの【✕】ボタンを押しても終了することができます。

(Windows Serverセットアップ)

🥉手順⑭:『Windows Serverのインストール』画面が表示されましたら【セットアップの更新プログラムのダウンロード方法の変更】をクリックします。
「Windows Serverのインストール」と表示されていますが、Windows11がインストールされますので、ご安心ください。

🥉手順⑮:『更新プログラム、ドライバー、オプションの入手』の画面が表示されましたら【今は実行しない】を選択し【次へ】をクリックします。

🥉手順⑯:『適用される通知とライセンス条項』の画面が表示されましたら【同意する】をクリックします。

🥉手順⑰:『引き継ぐ項目を選んでください』の画面が表示されましたら【ファイル、設定、アプリを保持する】を選択し【次へ】をクリックします。

🥉手順⑱:『インストール準備完了』の画面が表示されましたら、インストールするWindows11のエディションと、インストールの設定内容を確認し【インストール】をクリックします。

■Windows11 25H2のインストールが完了するまで待ちます。

■パソコンが数回再起動します。

■もう少しでWindows11のインストールが完了します。

■Windows11の最新版【25H2】のインストールが完了しました。

Windows11のバージョンを確認する方法
Windows11 25H2が適用されているかWindows11のバージョンを確認する方法を紹介します。
🥉手順①:タスクバーの検索ボックスに【winver】を入力します。

🥉手順②:検索結果に『winver』が表示されましたら【開く】を選択します。

🥉手順③:Windows11のバージョン25H2が適用されていることを確認して【OK】をクリックして画面を閉じます。

Windows11を以前のバージョンに戻す方法
Windows11 25H2への機能更新から10日以内であれば、以前のWindows11のバージョンに戻すことができます。
🥉手順①:タスクバーの【スタートボタン】をクリックします。

🥉手順②:スタートメニューが表示されましたら【設定】を選択します。

🥉手順③:『設定』が表示されましたら、左側ペインの【システム】を選択します。

🥉手順④:システムの一覧から【回復】を選択します。

🥉手順⑤:回復オプションの一覧から『復元』を選択し【戻す】をクリックします。

🥉手順⑥:『フィードバックを共有してください』が表示されましたら【次へ】をクリックします。

🥉手順⑦:『アップデートとチェックしますか?』が表示されましたら【行わない】をクリックします。

🥉手順⑧:『知っておくべきこと』が表示されましたら【次へ】をクリックします。

🥉手順⑨:『ロックアウトされないようにご注意ください』が表示されましたら【次へ】をクリックします。

🥉手順⑩:『このビルドをお試しいただきありがとうございます』が表示されましたら【以前のビルドに戻す】をクリックすると、Windows11の以前のバージョンに戻すことができます。

■Windows10からWindows11【25H2】にアップグレードした後に、Windows10に戻す場合は【Windows10に復元する】を選択します。

Windows11のバージョンを戻す期限を10日以上に変更する方法
Windows11を機能更新前のバージョンに戻す期間は、デフォルトでは10日間に設定されています。
Windows11を機能更新前のバージョンに戻す期間を60日間まで延長する方法を紹介します。
🥉手順①:タスクバーの検索ボックスに【cmd】を入力します。

🥉手順②:検索結果にコマンドプロンプトが表示されましたら【管理者として実行】をクリックします。

🥉手順③:コマンドプロンプトが起動しましたら【DISM /Online /Get-OSUninstallWindow】と入力し、キーボードの【Enter】キーを押して、ロールバックの期間を確認します。
☘️入手例 ➡ DISM(半角スペース)/Online(半角スペース)/Get-OSUninstallWindow
(ロールバックの期間が10日間に設定されています)

🥉手順④:次にロールバックの期間を60日間に設定しますので、コマンドプロンプトに【DISM /Online /Get-OSUninstallwindow /Value:60】と入力し、キーボードの【Enter】キーを押します。
☘️入力例 ➡ DISM(半角スペース)/Online(半角スペース)/Get-OSUninstallwindow(半角スペース)/Value:60

🥉手順⑤:ロールバックの期間(60日間)が正しく設定されているか確認するためコマンドプロンプトに【DISM /Online /Get-OSUninstallWindow】と入力し、キーボードの【Enter】キーを押します。
☘️入手例 ➡ DISM(半角スペース)/Online(半角スペース)/Get-OSUninstallWindow
(ロールバックの期間が60日間に設定されています)

🥉手順⑥:コマンドプロンプトに【exit】と入力し、キーボードの【Enter】キーを押してコマンドプロンプトを終了します。
※コマンドプロンプトの【✕】ボタンを押しても終了することができます。

■Windows11インストールメディア(USB・DVD)の作り方は別に記事で紹介しています。